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平成23年度 文部科学大臣様 要 望 書 全国国立大学附属学校連盟 全国国立大学附属学校連盟は、全国の56国立大学法人における261附属学校園の教員によって組織しています。本連盟は、「会員相互の協力により、附属学校園の使命達成を図り、もって、わが国教育の振興に寄与する」ことを目的として、昭和24年に結成され、今日まで、附属学校園が果たすべき使命を達成するために、研究集会・協議会の開催、及び各種調査研究の実施等の事業を精力的に行ってまいりました。そうして、わが国の学校教育をリードしてきたといささか自負しております。 さて、国立大学法人評価委員会による提言(平成21年1月)では、「附属学校の本来の設置趣旨に基づいた活動を推進することにより,その存在意義を明確にしていくことが必要」と明示されました。その後、文部科学省は附属学校を置く各国立大学法人に対し,「国立大学附属学校の新たな活用方策等に関する検討とりまとめ」(平成21年3月)を高等教育局大学振興課長名で提示されました。そこでは、「附属学校の存在意義の明確化」、「組織運営上の改善」、「業務運営上の改善」、さらに新たな活用方策として「初等中等教育政策推進への貢献」が求められています。 すでに、多くの附属学校園においては自律的に改善に取り組んでおりましたが、上述のような求めに応じて、一層の改革に向けて努力する意を強くしております。それは、各大学において附属学校園と大学とが一体となって附属学校園の改革を検討する委員会を設け、「第2期中期計画」において具体的に附属学校園の改革についての目標とロードマップ等を明記するようになったことにもあらわれています。また、本連盟主催の研究集会・協議会においても、組織改善や新しいカリキュラム開発、大学教員との共同研究の試み等の具体的な取り組みが紹介されるようになっております。 しかし、国から国立大学法人に支給される運営費交付金が毎年減額されるなかで、附属学校園の学校改革のための財源の確保は、非常に厳しくなっています。附属学校園が大学・学部と連携して、積極的に外部資金獲得の努力を行うにしても、限界があります。そこで、附属学校連盟として、以下の通り、要望を申し上げます。格段のご高配をいただきたくお願い申し上げます。 1 制度及び組織に関すること 「新・公立義務教育諸学校教職員定数改善計画(案)」(平成22年8月)では、小中学校において、8カ年計画で30人あるいは35人以下学級の実現と副校長・教頭、生徒指導担当教員及び事務職員の配置の充実が示されました。その後、平成23年度の政府予算案には、小学校1年生の35人以下学級を実現するための、教職員定数の措置が盛り込まれました。 附属学校においても、児童生徒の学級定員の見直しを進めています。今後も、高度で細やかな教育活動を推進するとともに新学習指導要領による教育課程開発の充実を図っていきます。そのためにも、児童生徒の学級定員の見直しと教職員定数の改善の推進、さらには新たな課題に対応する専門的教員の加配等についてご配慮いただきたいと願っております。大学によっては、附属学校の教職員定員の削減を検討している場合があり、格別のご支援が必要であると考えております。 2 予算に関すること 附属学校園が抱える勤務・雇用における緊急の課題として,超過勤務,公立との給与格差是正等の問題も大きいと感じております。附属学校園における超過勤務の軽減化の努力とともに、大学との連携強化が勤務の加重負担につながらないように十分に配慮する必要があることはまちがいありません。それでも、超過勤務手当の支給、公立学校園との給与格差の是正、管理職手当の改善についても、対応が遅れている大学が少なくありません。 これらのことは、大学の自助努力が求められるところですが、今日の財政難からすれば限界があります。また、今後、教職大学院の充実、免許更新講習の円滑な実施、現職教員研修のいっそうの充実など、新たな職責の増加もあります。そこで、附属学校園の教員の給与等の改善についてのご配慮をお願い申し上げます。 3 人事に関すること 少数の例外を除いて、附属学校園の多くは、都道府県教育委員会との人事交流によって教員を採用しております。そのため、すぐれた教員の確保は都道府県教育委員会と連携・協力に負うところが大きいものです。一方、全国的に教員の年齢構成は、50歳以上の教員が3分の1を占め、今後10年間で若年教員の大幅な増加が見込まれます。しかし、指導力のある先輩教員の減少は、これまでの学校教育の実践的な知見を若年教員に伝達することが困難になることが予想できます。地域によっては、学校教育の質的な水準が危惧されます。 そこで、これらのことへの対応として、大学及び附属学校園と都道府県教育委員会との一体的な教員養成の取り組みが求められることは当然です。学部及び大学院における教員養成の改善はもちろん、附属学校を高度な教員養成機関として地域の公立学校園の若年教員の研修に活用することが可能です。そのためには、教員研修制度の改善、それにともなう財政支援が必要となります。この点でも、特段のご配慮をいただきたいと考えております。 4 教育研究の開発について 附属学校園は、「大学・学部の教育研究への連携・協力」「教育実習の実施」という本来の使命を自覚し、大学・学部及び地域教育機関との組織的連携を基盤として、それぞれの学校園の個性および地域の特長を生かした教育研究や教員養成指導の在り方等に関わる実証的な教育研究を進めてまいりました。そして、新しい教育内容を実験的に研究・検証する研究開発校として、さらに、地域の教育の質的向上に貢献する教育拠点校として、先進的かつ先導的な役割を担ってまいりました。 今後も、附属学校園は全国的な学校教育水準の向上のために、斬新かつ先駆的な教育研究開発を推進していくつもりです。また、わが国の新たな教育政策の実現のために調査研究を行うなどの貢献には、大学と一体となって努力をするつもりです。そこで、教育研究開発の推進について、一層のご指導、ご助言をお願い申し上げます。 これからの附属学校園は、さらには教職大学院における教育の充実、免許更新講習の円滑な実施等の新たな役割・機能を果たすことが強く求められております。従来の附属学校園の使命を果たすとともに、新たな役割・機能を十分に担えるよう、文部科学省におかれましては全国附属学校園における共通した課題にご理解いただき、健全な運営に向けた指針の提示や法制の整備、財政的支援をお願いするものであります。
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